Word 2007ではリボンという新機能が搭載されて、メニュー バーやツール バーよりも直感的にさまざまな操作ができるようになていますが、その半面、いくつかの機能が隠されて目的どおりの操作ができなくて困ることが多いのも事実です。特に日本語関連でそれが多いのですが、その1つに傍点（＝文字の上に「・」を打つ機能。用語を強調するためのもので、英語の " " もしくは下線に該当します）があります。従来、傍点の入力はツールバーで行えたのですが、Word 2007ではリボン上にないために入力しにくくなっています。
Word 2007でこの傍点を入力すには、傍点を入力したいテキストを選択して、リボンの［ホーム］タブの［フォント］グループの右下のボタンをクリックします。
これにより、書式設定を行うための［フォント］ダイアログが表示されるので、右端中央の［傍点］リストの中から「・」もしくは「、」を選択します。
しかし、傍点のたびにこの操作をするのは面倒です。そこで、本記事では、より手軽に傍点を入力する方法を紹介します。
その方法とは、Wordの左上のタイトル バー部分にある「クイック アクセス バー」を利用することです。Word 2007でよく利用する機能は、このクイック アクセス バーから利用すると便利です。
クイック アクセス バーを利用するといっても、傍点を設定するコマンドは存在しないみたいなので、何らかの工夫をする必要があります。そこで使えるのがマクロです。マクロと聞いて大変そうだと感じるかもしれませんが、以下の手順どおりに行えばできますので安心してください（本TIPSでは「、」の傍点を入力する方法を示します。「・」の傍点については最後に簡単に示します）。
まずは、リボンの［表示］タブを開き、［マクロ］グループの［マクロ］ボタンの下にある［▼］をクリックして表示されるメニューから［マクロの表示］を選択します。
これにより［マクロ］ダイアログが表示されますので、［マクロ名］に「EmphasisMarkOverComma」と入力して［作成］ボタンをクリックします。
すると、［Microsoft Visual Basic］というアプリケーション（通称「VBA」）が表示されますので、次の画面のようにコードを記述します。
記述するコードは次の太字の部分です。
Sub EmphasisMarkOverComma()If Selection.Font.EmphasisMark = wdEmphasisMarkOverComma Then
Selection.Font.EmphasisMark = wdEmphasisMarkNone
Else
Selection.Font.EmphasisMark = wdEmphasisMarkOverComma
End If
End Sub
入力したら右上の［×］をクリックしてアプリケーションを終了してください。これでマクロの作成は終了です。後は、クイック アクセス バーを設定するだけです。
クイック アクセス バーの［▼］ボタンをクリックして［クイック アクセス バーのカスタマイズ］メニューを表示して［その他のコマンド］を選択してください。
すると［Word のオプション］ダイアログが表示されますので、左側の［ユーザー設定］を選択したまま、右側の［コマンドの選択］リストから「マクロ」を選択し、その下に表示される「Normal.NewMacros.EmphasisMarkOverComma」を選択して、［追加］ボタンをクリックしてください。すると、その右にある一覧にそれが追加されるので、続けてその下にある［変更］ボタンをクリックしてください。すると、［ボタンの変更］ダイアログが表示されるので、好きなアイコンを選らんで、表示名を「傍点」などとして［OK］ボタンをクリックしてください。
後は［Word のオプション］ダイアログの［OK］ボタンをクリックすれば完了です。次の画面のように、先ほど設定した［傍点］ボタンが追加されます。実際に傍点を振るには、Wordでテキストを選択してを選択して［傍点］ボタンを押すだけです。
ちなみに「・」の傍点を使うには、上記のコード部分を以下に変えてみてください。
Sub EmphasisMarkOverSolidCircle()If Selection.Font.EmphasisMark = wdEmphasisMarkOverSolidCircle Then
Selection.Font.EmphasisMark = wdEmphasisMarkNone
Else
Selection.Font.EmphasisMark = wdEmphasisMarkOverSolidCircle
End If
End Sub
