各所でニュースになっていますが、WPC09というイベントでWindows Azureの価格体系やSLAが発表されました。本稿では、それらのニュース記事ではあまり触れられていない事項について補足情報をお伝えします。Windows Azureは11月17日~19日に開催されるPDC09(Professional Developers Conference November 17-19, 2009)でローンチされます。
そういえば、WPC09のキーノートでは「Windows Azure Platform」という表示がなされていました。単純に「Windows Azure」のことを表しているのか、「Azure Services Platform」の名前をこれに変更しようとしているのかと疑問に思いました。どうやら後者という話です。いきなり脱線しましたが、本題。
◆まず、Windows Azure Platform の購買モデル。
次の3つのモデルが提供されます。
- 従量課金制(基本)
- サブスクリプション(割安になる)
- ボリューム・ライセンス契約(大規模エンタープライズ顧客向け。※PDC後)
1の従量課金制については特に説明の必要はないでしょう。価格体系については「Azure価格発表。複数の提供モデルと競争力のある価格戦略でクラウド市場の本格立ち上げをねらう - Azureの鼓動 : ITmedia オルタナティブ・ブログ」を参照してください。
2のサブスクリプション・モデルの場合、先払いになりますが、その分、割安になります。
これら2つのモデルは、PDC09でのローンチから利用できます。
3のボリューム・ライセンスは、既存の MSDN Premium Subscription のボリューム・ライセンス(Enterprise Agreement license=PC250台以上の大規模)に Windows Azure を追加するモデルです。
こちらはPDC後に提供予定です。
PDC09から商用利用可能になるわけですが、それまでは無償です。ローンチ直後から支払いには日本円も使えます。2010年3月にはさらに多くの国の通貨に対応します。
さらに、アプリケーション開発ステージでは、スケール時のテストがしやすいように、45%の割引になるらしいです。◆続いて、Windows Azure Platform の新機能などに関するロードマップ(※2009/07/17アップデート)。
Windows Azureは、.NETだけでなく、Ruby、Python、Java、MySQLのサポートも開発準備中です。
商用利用開始時点(2009年11月中旬)で、以下のようなことが可能になります。
- 複数の地理的位置からの選択(東京が含まれるかは不明)
- 複数の言語からの選択(恐らく日本語は含まれると予想される)
- リレーショナルと仮想のデータベース(仮想というのは恐らくKey-Value-Storage)
- 自動データベース管理
さらにローンチ後の将来(時期不明)に、以下のようなことが可能になる予定です。
- 管理者アクセス
- VM(仮想マシン) 配置
- アプリケーションとデータの地理的なレプリケーション(これによりアクセスポイントが近くなって、高速にアクセス可能になると予想される)
- Systems Center統合
- エンタープライズIDフェデレーション
- 分散クエリ&CLR
- 分析&レポーティング
- データ同期(DataHub)
(本画像はWPC09の「WPC Session: Partnering with Azure Services」のPPTから引用しました)
というように、将来的にはエンタープライズ向けの機能強化がなされる予定のようです。