いっしきまさひこBLOG

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第42回WBA若手の会勉強会 Human-like AI実現に向けた認知科学的アプローチ 聴講ノート

※これは勉強会聴講時の個人的なノートをそのまま公開したものです。誤字誤植や勘違いがある可能性があるのでご了承ください。

第42回WBA若手の会勉強会 Human-like AI実現に向けた認知科学的アプローチ - connpass

【余談】自分の大学在学中の専攻は認知科学の一翼である認知心理学で、今回の話は「認知科学」の話だったので何となく懐かしく感じました。ちなみにその当時、認知科学つながりでニューラルネットワークに興味を持ったんだけど、大学卒業からだいぶたってそれをまた学んでいるとは。

メモっているけど、スライドの内容そのままです。 あと全部はメモれていないです。興味がある人はスライドをご参考に。

講演「Human-like AI実現に向けた認知科学的アプローチ ~人間の思考過程をリバースエンジニアリングする~」

  • Cognitive science for the development of human like ai
  • 講演者:南井 優希さん(認知科学に最も興味を持っている)
  • AIに対する期待と現実(認知科学的な視点)
    • 【期待】近年、AIは騒がれており、AIが社会を変えるという認識が高まっている
    • 【現実】しかし、AIで実現できないがいろいろとあることも認識されるようになってきた
    • 機械側からではなく、人間側からアプローチすることで解決できるのでは? それが認知科学に興味を持った理由
  • 認知科学とは? ……人間の認知能力を数理モデルなど科学的に研究する学問
    • その一つのアプローチが、人間をリバースエンジニアリングする:
      • 人間の認知能力を計測して
      • 人間の認知能力を計算モデル化
      • 計算モデルを機械に実装
    • 機械は分類と回帰。しかし人間は世界を解釈・説明する
      • 例えば馬に引きずられている人間の写真を見て……:
        • 機械はあらかじめ決められた範囲でしか答えを出せない
        • 人間は物事をさまざまな確度から考え、多くの情報を理解する
  • 人間の認知的基盤例:
    • 直観心理学: 人間が直観的に行動の意図を推測できること
    • 直観物理学: 人間が瞬時的に物理学をイメージして行動すること
    • 構成性: カメラを分解した図の例。それらを組み合わせて考えられること
  • 直観心理学について:
    • 例えば書類を持っている人が困っている動作をすると、1才そこそこの赤ちゃんが行動の意図を理解・推測して、ドアを開けたりして助けてあげる
    • 例えば○のブロックが山を登る際に、△のブロックは助けるが、□のブロックは邪魔する例を赤ちゃんに見せる。すると、△のブロックを好んで選ぶ(他社の気持ちが理解できる)
    • ではこのとき、人間の頭の中では何が起きているのか? その研究例を示す
      • 心の理解: 人間は、他者の行動に基づき、その心を推測することができる
      • 信念と欲求に基づいた行動計画をモデル化:
        • 例えば……:
          • 行動:Aくんは日曜日に図書館に行った
          • 欲求:本を借りたい
          • 信念:借りた本は図書館にあるし、日曜日も図書館は開いている
        • 仮想シナリオを設計。それを人間の被験者と機械学習のモデルで学習させて、欲求や信念を予測させる。それらを比較した
        • 結果としては、ベイジアンモデルによる推測結果が、人間の推測結果と強く相関していた
    • ……(急な作業が発生してこのあたりメモれず)……
  • 直観物理学について:
    • ……(急な作業が発生してこのあたりメモれず)……
  • 構成性について:
    • 人間は物事を要素に分解して考える:
      • 例えばセグウェイ。ハンドルと支柱と車輪に分解して考えることで、動作を推測できる
      • 同じ物体の識別、新しい例の生成、新しい概念の生成などを、人間はできる。これを検証した論文がある
      • 新しい文字の学習: 同じ文字の識別、新しい例の生成、新しい文字の生成を検証した結果、人間と遜色のないベイジアンモデルが作れた

質疑応答

  • 認知科学の対象領域は、以前と比べると広がっている
  • 参考文献では、ベイジアンモデルで、直観心理学&直観物理学&構成性という基盤が提案されていただけで、これが認知科学の共通アプローチというわけではない
  • ベイジアンモデルで精度が良いが、人間はベイズなのかという点についてはまだ議論があり、科学的に実証できる段階ではない
  • 人間の内面をモデル化することで、なぜ世界を解釈できるのか? このモデルは、世界を解釈するためのツールの1つであると理解している
  • 人はバイアスがあるが、今回の参考文献では考慮されていない。認知科学では、属性ごとに区切って実験することはある
  • 人はモデルを持っているとして、それは意識とどういう関係があるのか? 意識や感情については認知科学ではなく別領域で研究されており結びついてはいない