基調講演では『次世代Webに向けて ― クライアント、コネクティビティ、クラウド ― 』(メイン司会:及川氏)というタイトルでGoogleのビジョンやテクノロジの紹介がありました。特に目新しい発表はなかったです(まぁ、最近、Google I/Oがあったばかりなので、仕方ないとは思いますが……)。
収穫としては、「Google App Engine = Google のクラウドを活用するためのプラットフォーム」という言葉があり、Google App Engineの立ち位置がより明確になりました。
以下にその基調講演の内容を要約します。
メインフレーム→パーソナルコンピュータ→インターネット(現在)という流れがあり、インターネットをGoogleは「クラウド」と呼んでいます。しかし、グローバルにリーチしているWebアプリケーションはごくわずかで、さまざまな課題があります。そこでGoogleは以下の3つの“C”の問題を解決していきたいと考えています。
1. Client(クライアント)をよりパワフルに
2. Connectivity(コネクティビティ)をユビキタスに
3. Cloud(クラウド)をよりアクセスしやすく
すべてオープンにすることでこれらの問題解決を図りたい。具体的には、オープン プラットフォームを採用することで、アプリがリッチになり、多くのユーザーを獲得し、利用頻度が増大し、広告収入が得られる、というエコシステムを構築していきたいと考えています。それを実現するためのテクノロジが以下です。
1. Gears:クライアント(ブラウザ)をよりパワフルに
2. Android:コネクティビティをユビキタスに
3. Google App Engine:クラウドをよりアクセスしやすく
これらに以下の試みも加えようとしています。
4. 容易な開発
→ Googleのサービスを活用する。例:GDataやAJAX APIs/Controls
5. ソーシャル ウェブ
→ 既存製品のソーシャル化。例:iGooogle、Google Maps
→ ソーシャルAPI。例:OpenSocial、Social Graph、Friend Conncect
上記以外で新しいもしくは改善されたテクノロジについては以下があります。
●Web デザイナーや一般ユーザー向けのテクノロジ
・Google Maps API for Flash
・Google Earth API
・RESTful対応(Chart API、Google Static Maps API、AJAX APIs)
●開発者向けのテクノロジ:
・Google Web Toolkit
最後に4つ目の“C”としてCommunity(コミュニティ)の活性化が挙げられていました。