ITにおけるアーキテクト(以降、ITアーキテクト)とはどんな人なのか? 教科書的な回答としてよくあるのは、ITSS(ITスキル標準)に基づいたものです。
ですがこれを見ていると、何だか資格試験とか、大学受験を見ている気分になってしまいます。例えば「国語と数学と英語の合計点数が必ずこれをクリアしておかなければいけません。今の偏差値が65だから後10くらいは必要です」とか言われそうな気分です。
実はマイクロソフトがアーキテクトの認定試験「Microsoft Certified Architect Program(MCA)」を始めるそうです(2006年くらいらしい)。
・Microsoft Certified Architect Program
これから、ITSSやほかの団体も、次々とITアーキテクト認定試験を出してくるのかもしれません。
まぁ弁護士だって認定試験があるんですから、そういった認定試験がまったく悪いわけじゃないんでしょうが、試験嫌いなわたしからすると、あまり好きな仕組みではないですね。「数学の微分・積分を勉強したけど、実世界で役に立ったことが一度もない」とか言う人がよくいますが、アーキテクト認定試験がそんなふうに言われないことを(つまり認定試験が、「人をふるい落とすための選考手段としての意味合いが大きいもの」になってしまわないことを)願うばかりです。
ちなみに@IT/Insider.NETで「アーキテクトへの道」というあるイベントのレポート記事を書きましたが、こういう話のほうが(教科書的な話よりも)断然面白くて現実的なものに感じます。
ここでのアーキテクト観は発言者によってさまざまに異なりますが、無理やりまとめるとすると、以下のようなことかなぁと思いました(上の記事からの引用です)。
●アーキテクトとはどんな人か?
・システム全体に対する(将来の変化予測を含めた)コンセプトを持っている人
・そのコンセプトを基に、柔軟で斬新なアーキテクチャを設計できる人
・ビジネス的な側面では、システム制約の中でエンド・ユーザーの要望を実現する、柔軟で斬新な解決策を考えられる人
●アーキテクトに必要な能力や素養とは?
・未来に対する壮大なビジョンやコンセプト(=何を創りたいか)を持っていること
・システムのあるべき姿(=美しさ)を感じ取ることができるセンス
・無から柔軟かつ斬新に発想できるクリエイティビティ
・(当然ながら)開発者として必要最低限の技術力
これから求められるアーキテクトがこんな人だとして、じゃあ逆にこれからのデベロッパーはどんな人が求められているんでしょうねぇ?